補助金を活用しにくい先生と大学のスタンスとの関係を考察2

出す情報が多いと得られる情報の精度が上がります

 先生はURA/CDと「上手く」連携できていますか?先生の一番の理解者であるはずのURA/CDとのコミュニケーションが一番重要ですが、URA/CDの働きは属人性に加え雇用主である大学の意向も大きいので、二番目には大学のスタンスも重要になります。

 先生にも前の大学は○○だった、前の大学の方が○○だった、といった漫然とした違いを認識しているケースも少なくないようですが、多少の不満は大学ごとの違いと認識し我慢しているようにも見えます。事実、先生が一人で大学全体の環境を変えることは難しいと思います。

 URA/CDも基本的に人材不足である大学が過半かと思います。教員数あたりのURA/CDが過少なため、担当のURA/CDがいるはずなのに着任挨拶時以来あったことがないという話も聞いたことがあります。担当のいない先生もいらっしゃいました。雇用形態からもわかるように企業のOBを採用しているのでURA/CDとしての教育も追い付かないまま、業務多忙な最前線へ送り出されているようなものです。

 このような状況ですので、先生の研究のある分野では企業時代に培った圧倒的な知識と経験、情報を提供してくれるケースもあるのですが、補助金となると初めてというケースが多く、従って補助金の話題は避ける、良くても公募情報の丸投げまで、としているURA/CDが多いのも仕方のない状況です。先生が「適切な情報が欲しい」と言い、URA/CDも補助金探しで「適切な情報」と言われても、あるか無いかわからない仕事に時間を費やすわけにはいきません。どうしても後回しになりがちです。

 それでも補助金を活用していくためには、先生は何をすべきでしょうか。他責にしていては何も解決しませんし、不採択が続けば研究が遅滞してしまいます。そうした外部環境を理解したうえで、まずはURA/CDを先生の良き理解者として活躍してもらうことが近道ではないでしょうか。

 そのためには先生が何をしたいのか、何を考えているのかを丁寧に伝えていく必要があります。そのうえで補助金を取りたいとなれば、URA/CDも適切な補助金を格段に探しやすくなります。

 あるUARは先生と関連のありそうな補助金情報をメールしていますが、どうしても反応のない先生には後回しになっていくと言っていました。URAも限られた時間の中で活動していますので、「ありがとう」「申請してみます」「相談したいです」等の反応があると、一層貢献したい意欲が湧くのに対し、反応が無いと見ているのかいないのか、迷惑と思っているのかわからないのでメールする順位が下がっていくと言っていました。これは一例ですが、周囲のモチベーションを上げる工夫も必要ではないでしょうか。

 また、ある先生は技術のことも丁寧に教えてくれましたし、こんなことができる、あんなことができると用途展開についても丁寧に教えてくれました。そんな中で得た情報と類似テーマがSBIRに出たことがあり、先生に情報提供、急遽申請、採択といった事例もあります。棚から牡丹餅的採択でしたが、あの一件がなければ公募を見てもイメージさえできなかったと思いますし、先生も公募を見つけられたかどうかわかりません。この棚ボタ案件の陰にも当然、多くの空振り情報提供があったこともお伝えしておきます。

 そのような経験もありますので、やはり一番にURA/CD、二番目には事務職員に先生の研究を伝え、ファンになってもらうことが有効ではないかと考えています。

 先生の研究室に出入りしている社長にも○○な補助金が出ていますよ、と連絡し喜ばれたこともあります。この社長も社交的で私にも自社の得意や目標を教えてくれていたからこそできた提案です。人的なネットワークが活きるとはこういうことで、名刺交換の数ではないです。ある時ふと「この公募、聞いたことのある話にマッチしそうだな、誰だっけな、、、どの先生だ??あっ、あの社長だ。迷惑がられても嫌だしな、でも送ってみるか。」といった感じでした。そんな社長です、お礼メールも速攻でした。「ぴったりのテーマです、挑戦してみます。」と。連絡して良かったと思いました。少しの気配りで、いろいろな情報を適宜くれるような仲間、先生のファンを増やせるかもしれません。

 このように同じ補助金の公募情報に対しても、先生ごとの環境は同じではないのです。申請するかは先生の判断で良いと思いますが、情報を集める段階で千差万別、大きな差がついているケースもあります。周囲の人は意外と多くのことを知っています。是非、上手く連携できる工夫をしてみてください。

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