補助金を活用しにくい先生と大学のスタンスとの関係を考察3
事務職員は形式要件のチェックだけでは宝の持ち腐れです。
大学も担当部署の事務職員には、先生からの申請希望や大学記載欄の相談が来るようですが、基本的には形式要件のチェックにとどまっている大学が多いのではないでしょうか。先生からドラフトが送付されても、内容の確認は行っていないようです。実は、これが非常にもったいないと思っているのです。
様々な事情があって今の形になっていることも理解します。しかし、すべての申請書が集まるのですから、本来、申請書を書く能力は必然的に短期間で醸成されていまう環境なのです。科研費からJST、NEDOに財団系と多くの申請書を確認できるので、先生へのフィードバックも効果的にできる可能性があるのです。だから「もったいない」のです。他でも書きましたが、事務職員の方が研究分野や技術から遠く、申請書をニュートラルに見ることができる点も簡潔明快な表記に向けた重要なポイントです。事務職員には自信を持って欲しいです。
一方、採択率を上げようとする場合、どの先生が何に応募したいのか、までを把握することが事務職員では難しいと思います。しかし、申請の手続き上、申請希望補助金について先生の方から接触があるのですから、URA/CD助成金の活用を企画し先生へ提案、事務職員が申請書のドラフトをブラッシュアップする、というような形でフォローできれば、一気に申請件数が増え、採択可能性も高まるはず、という思考もご理解いただきたいところです。
以前、先生にアンケートをした中では申請書のチェックを行っている(行っていた)大学もあるようです。しかし、詳細までは分からなかったことから、組織的にというよりは属人的な対応だったようで、今では行っていないという大学もありました。一方で先生からは、もっと突っ込んだアドバイス、具体的なアドバイオスをもらいたいという積極的な声もありました。先生は採択されることを望んでいます。
大学としての生産性を考えれば、担当する事務部門に申請書の記載も支援できる機能があることが最高のはずです。しかし、職員も人材不足があって専任の人材を回せる余裕もありませんし、専門性を補おうにもリスキリングする方法もわからなければ働き方改革もあり、研修を受けさせる時間もないといった感じではないでしょうか。
お金はかかりますが、豊富な支援経験を持つ当社のような外部機関を活用し、短期間に事務部門の人材育成を行うメリットがここにあります。一口に人材育成といっても新人教育から星の数ほどのサービスが氾濫しています。補助金の採択率を上げたいと思っても、誰に何をどうすれば良いのかわからないと思いますので、こちらも当社にご相談ください。
なぜ人材採用より人材育成の方が望ましいのでしょうか。これこそが大学のスタンスと深くかかわる課題です。人材育成には時間がかかりますが、育成後には内製が可能になります。つまり育成された人材から次の人材へ知見やノウハウを承継させていくことで継続性を担保できます。新しく採用したURA/CDにも内製の研修で育成ができますので効果も上がりやすいはずです。一方で即効性に期待し外部人材に頼っていては、いつまでも採用する人材の属人性に左右されますので、安定的な組織運営ができず、先生へのサービスの提供、つまり補助金を活用したいという課題の解決が難しくなります。これは大学の研究力の強化にとっても、あまり良い状態とは思えません。
